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あの子が私だったかもしれない


セックスについて私が始めて知ったのは小学校中学年の頃。女友達から突然「おまんこに、ちんちん入れると子どもができるんだよ」と言われた。当時の私は驚き、そして親や男性が不潔なものに思えてしまった。その後も親からセックスについて教えて貰ったことはない。親はテレビ番組で愛し合っているシーンを見ると静まり、気まずい雰囲気にさせた。セックスについては“タブー”、それが家族の中での暗黙の了解だった。


中学生になり、性器の名称など保健体育で扱うようになった。不潔、不純、タブーなものと認識していた私は覚えようとしなかった。保健体育の授業では男子はニヤニヤ、女子はみんなうつむいていた。男女共同のプールの授業では、男子のそういったいやらしい目つきやニヤニヤから逃れるため女子の9割が拒否した。


高校生になり私には彼氏ができた。セックスは結婚してからと考えていたが、彼と結婚を視野に入れた交際であったことと、本当に彼を愛していたため、嫌われたくなくてセックスをすることになった。高校生で携帯を持っていたため、やり方については動画を見て知っていた。しかし動画は愛のないセックスばかりだった。彼とのセックスもいつまでも“悪いこと”としか思えず、彼は“愛してくれていた”が、私はそこに“愛し合う”を見つけられなかった。コンドームは必ずつけてくれる彼であったが、生理不順なのもあり、生理が遅れるとどうしよう…といつも彼と不安に思っていた。病院に行くには診察券がいる、そして顔を見られる…恐怖がいつもつきまとっていた。同級生の女子は妊娠してしまい、中絶手術したため、高校を退学させられた。相手の男は他校であったが処分はなかった。今考えるとそれは差別であり、セックスは犯罪行為とまで言っているようなものだと感じる。



私はこれまで自由を持ち、日本は良い国であると信じて疑わなかった。けれどもそれは狭い選択肢の中で、そういうものだと思わされていただけだったのだ。もしも、親や学校からセックスで子どもができるのだと教えてもらえていたら。不潔や不純などではない、愛し合う行為の1つだと教えてもらえていたら。きっともっと私は親や他人を愛し、思いやる事ができ、自分という存在は愛から生まれたものだと分かっただろう。性について困ったとき、親に真っ先に相談できたはずだ。男子だってその事を知っていればいやらしくニヤニヤせず、女子は大好きなプールを楽しむことができただろう。


どんなにセックスを教えないようにしても、するときはどんな子であろうがする。もし避妊の知識がなかったら…望まない妊娠をすることになる。高校生での妊娠は犯罪と同等なのに、避妊のための選択が少ない。退学になったあの子も手が届くピルがあれば…知識があれば…。あの子が私だったかもしれないと思うと今でも怖い。



どうか正しい知識が得られ、愛されて生まれてきた実感のある性教育を受けさせてほしい。セックスがタブーな世の中を変えたい。望まない妊娠を回避できる、どんな人でも手が届きやすい避妊手段を選択させてほしい。


28才 看護師女性




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