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女性がぶち当たる現実。でも人が作った制度なら。

多様な生き方を尊重しあう社会になってほしくて、ペンを取ります。


私は女性性という性自認の立場から、日本社会の「性」にまつわることを話したりすることを不健全だとする、タブー視するこのどんよりした空気感の中育ってきました。大学生のときにフィリピンに住んでいたり、外国籍の友人たちとの会話をしたり、外国の地域研究をするなかで、「どんより」感に対して、自分たちは今までの大人たちの一昔前の性に対する考え方によって、無知にさせられているのではないか。自分のことを自分で決められないという社会こそ不健全ではないかと考え始めました。


具体的に伝えるとこうです。日本では、未だ避妊をするときに男性性に頼ることが多いのではないでしょうか。女性自身が望まない妊娠を避けるために避妊を主体的に行おうと思うこと、そして行動すること自体になにか「いかがわしい」イメージが付くようだと、外国での生活を後にして感じるようになりました。日本では女性が主体的に避妊を考えた時、そこにはあまりにも選択肢がないという現実にぶち当たるのではないでしょうか。女性が簡単にアクセスできる低用量ピル(毎日の服用)ですが、日本は保険の適用外で、病院によって2000~4000円(一か月分)します。フィリピンでは、国が補助を行い実質負担は500円ほど、病院に行かなくても街のドラッグストア―で買うことができます。フランスなどでも国の補助があり低価格に抑えられているようです。「簡単にアクセスできる」と書きましたが、選択出来る人も限られているのではないかとも思います。


生命や生き方にダイレクトに関わることなのに、平等に選択肢がない。選択肢がないのではなくて、真実を知らされていない、私たちは何か大きな力によって無知にさせられ、黙らされているという感覚から抜け出せません。多くの、多くは女性たちが望まない妊娠の恐怖におびえ、傷ついている人もいる、社会の認識や制度によって自分の人生をコントロールしきれない、それが今の私たちが生きる日本だと思っています。傷ついた人たちの苦しみは、その方たちのせいではありません。歪んだ認識をベースとした社会と、制度の中、制限され、目に見えない暴力を振るわれている当事者です。構造的なものによって生き方が制限されているということは、人権が脅かされていること。個人として権利を守るためにより良い方へ変えていきたいと思い行動することは当然のことです。人が作った制度なら、私たちが変えていけます。

今回「#なんでないの」プロジェクトが始動したということは、同じような声なき声が「こんな社会変えて行きたい」と行動し始めた証、私も全国のみなさんとつながって現状を変えていきたいなと思っています。(沖縄県在住、20代)




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